地球温暖化の影響は深刻の度合いを増しており、パリ協定により中長期的かつ抜本的な気候変動対策が求められています。日本国内でも3.11以降、原子力技術および原子力政策のさまざまな問題点が浮き彫りになり、再生可能エネルギーの本格導入などエネルギー転換を目指す動きが進み始めました。
一方、ここに来て「原発延命」の動きも顕著になってきました。原子力損害賠償・廃炉支援機構、使用済燃料再処理機構、電力新市場など、日本政府は一連の原子力救済・優遇措置を展開しています。原発を無理に優遇する政策が、気候変動対策の本来の柱である再エネ・省エネを進める上での大きな障害となってしまっている日本のエネルギー政策の現状を私たちは深く憂慮しています。「二酸化炭素を出さない電源」としての原発が温暖化防止に不可欠であるとの主張も最近しばしば聞かれるようですが、その有効性も検証してみる必要があるでしょう。
今回のフォーラムでは、原発が気候変動対策として有効かという点をめぐる最近の海外の議論を紹介するとともに、原発延命策の制度的からくりを解剖し、日本政府のエネルギー基本計画を根底的に問い直します。そして、これらを手掛かりに、原発ゼロ時代の気候変動対策のあり方について考えたいと思います。
どうぞお誘い合わせの上、ふるって御参加ください。
日 時:2019年3月20日(水)14:00~18:00
場 所:聖心女子大学 4号館/聖心グローバルプラザ 3階 ブリット記念ホール
(東京都渋谷区広尾4-2-24)
最寄駅:地下鉄日比谷線「広尾」駅 4番出口 徒歩1分
プログラム:
第1部 世界で進むエネルギー転換と気候変動問題
司会:松原弘直(原子力市民委員会第3部会部会長、
環境エネルギー政策研究所主席研究員)
1)自然エネルギーの台頭と原子力の凋落
大林ミカ(原子力市民委員会アドバイザー、自然エネルギー財団事業局長)
2)温暖化で使えなくなる原発
鮎川ゆりか(原子力市民委員会アドバイザー、千葉商科大学名誉教授)
3)原発と温暖化との間のねじれた関係
明日香壽川(原子力市民委員会第3部会、東北大学教授)
第2部 日本での気候変動対策の遅れとエネルギー政策の急所
司会:竹村英明(原子力市民委員会第3部会コーディネータ、市民電力連絡会会長)
1)エネルギー基本計画での原発の位置づけ
大島堅一(原子力市民委員会座長、龍谷大学教授)
2)新たな電力市場と原発・石炭火力の問題点
松久保肇(原子力市民委員会第2部会、原子力資料情報室事務局長)
3)原発の会計・財務面からの問題点
金森絵里(原子力市民委員会委員、立命館大学教授)
第3部 全体討論「原発ゼロ社会と気候変動対策のあり方」
司会 大島堅一(原子力市民委員会座長、龍谷大学教授)
資料代:500円 (学生無料)
お申込み:当日でもご参加いただけますが、資料準備の都合上、3月18日(月)までに
下記のEmailかFaxにて、お申込みいただけますと幸いです。
原子力市民委員会 事務局
〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町4-15 新井ビル3階(高木仁三郎市民科学基金内)
Tel / Fax 03-3358-7064
E-mail email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください。)