ついての自治体アンケート調査」の結果および鹿児島県知事への要望
を鹿児島県に提出しました
2014年9月12日、安倍晋三内閣総理大臣は、第35回原子力災害対策本部会議及び第4回原子力防災会議の合同会議において、川内地域の避難計画を含めた緊急時対応について、「具体的かつ合理的なものとなっていること」を「確認」し、これを「了承」しました。
原子力市民委員会では、この会議で説明に使用された資料の内容において、鹿児島県内の30km圏内自治体の避難計画が含まれていないなど、多くの問題点が含まれていると考え、30km圏内自治体および受け入れ自治体となっている計21自治体に、避難計画および避難者の受け入れ体制に関する「九州電力川内原子力発電所の緊急時における原子力災害避難計画についての自治体アンケート調査」を行いました。
アンケートは21自治体すべてから回答があり、多くの自治体から、重要な項目について「説明を受けていない」「避難計画にまだ反映されていない」といった回答を得ました。また、本アンケートでは、「避難計画に関する住民の声」や、「各病院や社会福祉施設が策定するとされている避難計画」などについても回答を得ており、その結果、現状では川内原発再稼働にあたって求められるべき避難計画は出来上がっておらず、一部の自治体は国や県の対応についても不十分と感じていることが浮き彫りになりました。
このような現状を踏まえることなく、安易に避難計画を「具体的かつ合理的なものとなっている」として「了承」した安倍首相、および自治体からも避難計画が不十分だと認識されている中で、県として十分な指導および対応をすることなく、再稼働に「同意」した伊藤祐一郎鹿児島県知事の資質と見識があらためて問われる結果となりました。
原子力市民委員会の満田夏花座長代理は、12月3日、鹿児島県庁を訪問し、原子力安全対策課に対し、伊藤祐一郎鹿児島県知事に宛て、「九州電力川内原子力発電所の緊急時における原子力災害避難計画についての自治体アンケート調査」の結果および鹿児島県知事への要望を提出しました。
その後、鹿児島県政記者クラブで記者会見を開催し、アンケート調査の内容についての報告を行いました。
2014年12月3日
鹿児島県知事 伊藤祐一郎 様
九州電力川内原子力発電所の緊急時における原子力災害避難計画についての
自治体アンケート結果の提出および要望について
原子力市民委員会 座 長 吉岡 斉
座長代理 大島堅一 島薗 進 満田夏花 ● 住民や病院・社会福祉施設に対する意見の聞き取りは十分に実施されていない。 これらは川内原発の避難計画がいまだ実効性のある計画から程遠いことを示しています。 これらの問題への対応を貴県に求めるとともに、(1)自治体、住民(とりわけ要援護者などの避難弱者)、関係する社会福祉施設・病院等の意見の聞き取りを十分に行うこと、(2)現在の原子力防災計画に住民等の意見を反映させること、(3)前記(2)を踏まえて原子力防災計画を改定し、その内容を住民に十分説明すること、これらが終了するまでは、少なくとも川内原発を再稼動させるべきではないことを県として表明すること――を要望します。 なお、原子力市民委員会は、この問題に関する貴県からの協力要請に、いつでも喜んで応じる用意がありますことを申し添えます。 本件に関する連絡先:原子力市民委員会事務局 |