第三十四回 原子力市民委員会(CCNE)
「 処理汚染水の海洋投棄では何も解決しない
福島第一原発の“廃炉”の過酷な現実 」
開催のお知らせ
福島第一原発から処理汚染水の海洋投棄が開始され、2か月が経過しました。代替案の検討も不十分なまま、流されるのはトリチウムのみであるかのような“印象操作”がおこなわれ、「関係者の理解」が得られない中での強行となりました。開始後は、反発する中国との対立ばかりが過度に取り上げられ、国内で放出リスクへの懸念を口にすれば「風評加害者」と批判されるなど、言論空間が大きくゆがめられています。
さらに憂慮すべきは、海洋投棄の背後で、福島第一原発の「廃炉」問題が見えにくくされていることです。政府・東京電力は、今回の放出が「廃炉と復興に不可欠」と繰り返しましたが、「廃炉」の最終形は描かれておらず、30~40年で完了というのは全くの幻想にすぎません。通常の原発の廃炉で発生する量の数百倍といわれる“膨大”な量の放射性廃棄物の大半の行き先は未定で、880トンあるともいわれる核燃料デブリにいたっては、わずかにこすり取れただけです。その一方、事故処理費用は青天井に膨らみ、将来世代にまでつづく国民負担は増すばかりです。
今回の委員会(ウェビナー形式での開催)では、政府が発信する大量の「情報」の裏に隠されている福島第一原発の「廃炉」の厳しい現状を直視し、合理的かつ現実的に事故処理を進めていくための課題を検討したいと思います。委員会は公開で行われますのでどなたでも傍聴いただけます。多くの方にご参加いただけると幸いです。
日 時:2023年10月30日(月)13:30~16:00
場 所:zoomウェビナーによるオンライン開催
※ 参加をご希望の場合は、下記からご登録ください。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_8dD_k-0ETqW4b_qoUHQdQg
プログラム:
〇挨拶・趣旨説明
1.「廃炉の将来像、事故廃棄物の処分先の議論を先送りにしたままで良いのか」
/菅波 完(CCNE原子力技術・規制部会コーディネータ、高木基金事務局長)菅波資料
2.「原発事故の後始末費用 ——処理汚染水放出にともなうコストから検証」
/大島堅一(CCNE座長、龍谷大学教授)大島資料
3.「ALPS処理汚染水以外にも、今ももれつづける放射性物質」
/伴 英幸(CCNE政策調査部会、原子力資料情報室共同代表)伴資料
4.ディスカッション 川井コメント
・ステートメント検討
5.その他
お問い合せ: 原子力市民委員会 事務局
Tel 03-6709-8083
E-mail email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください。)