連続ウェビナー第2回「ICRP Publication 146における福島の記述の問題点」では、2020年にICRP(国際放射線防護委員会)がチェルノブイリや福島での経験を踏まえて改訂したとする勧告「大規模原子力事故における人と環境の放射線防護」(ICRP Publication 146)を取り上げます。
既存のICRP Publications109およびPublications111を再整理するかたちでおこなわれたICRP Publication 146の改訂の過程では、2019年にドラフトが公開され、日本から300件ものパブリックコメントがよせられ、事故の経験をふまえたものとして不十分だとする厳しい批判がなされました。
市民科学研究室の低線量被曝研究会は、パブリックコメントの全訳のほか、ICRPの日本人委員を招いた討論会、連続シンポジウム「福島原発事故の経験から放射線防護のあり方を改める」などさまざまな活動をされてきました。
今回は同研究会のお二人から、一連の活動を通じて把握したICRP Publication 146の問題点を紹介して頂き、検討します。
参考資料) 市民科学講座「福島原発事故の経験から放射線防護のあり方を改める」
日 時: 2023年8月24日(木)16:00~17:00
場 所: オンライン開催(zoom)
プログラム:「福島原発事故の経験から見たICRP Publication 146の問題点」
<お話> 柿原 泰さん(東京海洋大学教授、市民科学研究室・低線量被曝研究会)資料 瀬川嘉之さん(高木学校、市民科学研究室・低線量被曝研究会) 資料
申し込み: 下記よりお申込みください。 https://keio-univ.zoom.us/webinar/register/WN_A4z5E2bjRtuSUApG_N3i5g#/registration
※ 案内が届かない場合は、email◎ccnejapan.com(◎は@に変えてください)までお知らせください。
お問い合わせ:email◎ccnejapan.com[◎を@に変えてください] TEL/FAX 03-6709-8083
福島原発事故後に適用された年間20mSv基準などのもとになったICRP(国際放射線防護委員会)の基本勧告が、2030年頃に改訂される予定です。
そのICRPが今年11月6~9日の間、東京で総会(ICRP2023)を開きます。原発事故の被災地で開催されるICRP2023が、被災者や市民、事故後の状況を把握する日本の研究者が広く参加し、事故の経験を踏まえた放射線防護のあり方を検討できる場となるよう、私たちはICRPに対して具体的な提言を重ねましたが、受け入れられませんでした【経緯はこちらからご覧ください】。そのため現在、ICRP2023の開催と同時期に、市民主体となるシンポジウムを他団体と連携して企画しています。
福島原発事故後の放射線防護の最大の問題は、市民の人権や意向を無視した方策がとられてきたことにあります。2030年頃に改訂される基本勧告が原発事故の教訓を反映しないまま、改悪されることのないよう、市民も改訂プロセスに関わり、ICRPの勧告について学び、理解していくことが重要です。
そこで、11月に企画中のシンポジウムに向け、ICRPとは何か、その勧告とは何かなど、基本的な事柄からはじめて、ICRPの勧告を読みつつ批判的に検討し、市民の観点からの放射線防護のあり方を検討する連続ウェビナーを開催することにしました。第1回についてはこちらをご覧ください