原子力市民委員会 特別レポート6
『原発を温存する新たな電力市場の問題点』
作成:原子力市民委員会 原発ゼロ行程部会
執筆:松久保 肇
東京電力福島第一原発事故(以下、福島原発事故)後、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を目的として、電力システム改革が行われてきた。2015年から3段階にわけて実施されている電力システム改革は2020年には一応の完了を迎える。私たちの電力はこの改革によって、どのような影響を受けるのか。特にそのなかで作られる複数の新たな電力市場は一体どのような機能をもつのかという疑問がある。
本稿では、電力システム改革を概観したうえで、新たな電力市場である容量市場、非化石価値取引市場、ベースロード電源市場の3つを主に取り上げる。こうした新たな電力市場は電力自由化のなかで、どのように電力の供給力を確保するか、CO2排出量を削減するかといった課題に対応するためのものである。しかし、いずれも旧一般電気事業者(旧一電)に有利な制度設計となっており、このままでは、新電力は小売市場から駆逐されかねない。また巨大な官製市場を作り出し、結果、市場の適正な価格形成を阻害することにもつながる。そこで原発を温存する新たな電力市場の問題点と、具体的な対応策について検討する。(本文「1. はじめに」より)
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