「エネルギー・環境政策における熟議のあり方とは
-『自分ごと化会議in松江』から学ぶ経験と課題」
(連続勉強会 原発・エネルギー・気候変動をめぐる「国民的議論」のあり方を考える 第2回)
開催のお知らせ
2018年11月から2019年2月まで4回にわたって開催された「自分ごと化会議in松江」は、全国で唯一県庁所在地に原発が立地する島根県松江市で、無作為抽出で選ばれた市民21人と島根大学の学生5人が、「原発」の問題を議論しました。
無作為抽出による住民協議会はこれまでにも例がありましたが、「原発」をテーマにした無作為抽出の協議会が開催されることはありませんでした。原発に賛成する人、反対する人、それぞれからの問題提起を聞きながら、普通の市民が原発を「自分のこととして考えてみる」というのが狙いでした。賛成・反対の枠を超えて、地域住民が「原発」を議論することは可能なのか。
本学習会では、「自分ごと化会議in松江」の仕掛け人であり、無作為抽出による市民討議をはじめとし、さまざまな住民参加型民主主義の可能性を追求・実践する福嶋浩彦さんにお話を伺います。
また、ドイツの「エネルギー自治」を通じた持続可能な地域づくりの試みについての調査研究をし、「自分ごと化会議in松江」でも問題提起者を勤めた手塚智子さんからコメントをいただきます。
これらを通じ、多様な意見を持つ人々が対話する民主主義のあり方を問い直したいと思います。
日 時:2020年2月12日(水)15:30~17:30
場 所:衆議院第二議員会館 多目的会議室
内 容:講 演 福嶋浩彦さん(中央学院大学教授、元消費者庁長官、元我孫子市長)
コメント 手塚智子さん(市民エネルギーとっとり 代表)
質疑応答
参加費:無料
申込み:不要
連続勉強会趣旨
エネルギー政策の決定や原発の再稼働などをめぐり、市民参加・住民参加のあり方が課題となり続けています。2011年の東京電力福島第一原発事故を受けて、2012年夏には、日本で初めての試みといえる「エネルギー・環境の選択肢に関する国民的議論」が実施され、討論型世論調査や各地での意見聴取会などが実施されました。しかし、とりわけ政権交代後、エネルギー政策・原子力政策のみならず、多くの政策決定の場において、市民参加・住民参加の機会がますます限られてきています。
そうした状況を踏まえ、本連続勉強会では、エネルギー政策・原子力政策をめぐって、これまで市民参加・住民参加の機会を確保しようとしてきた国内外の試みについて、その経験と課題を学びます。
福嶋浩彦さん
鳥取県生まれ。1981年筑波大学除籍。1983年我孫子市議会議員。1995年38歳で我孫子市長に。2007年1月、3期12年で市長を退任。この間、全国青年市長会会長、福祉自治体ユニット代表幹事などを務める。市補助金の公募と市民審査、常設型住民投票条例の制定、コミュニティビジネスの育成、市民債による自然環境の保全、提案型公共サービス民営化など、市民自治を理念とした自治体改革に取り組む。市長退任後、行政刷新会議仕分け人。2010年から2012年8月まで消費者庁長官。現在は中央学院大学社会システム研究所教授。著書に『市民自治の可能性―NPOと行政』、『公会計改革』(共著)、『市民自治』、『最先端の自治がまちを変える―人口減少社会への24の提言』など。
手塚智子さん
埼玉県出身、ドイツ留学・エネルギーエージェンシーでのインターン、環境NPO勤務を経て、2011年から鳥取県在住。エネルギー・くらしの地産地消による地域の再生に取り組む。「防災と地域エネルギー」をテーマにワークショップ等を開催し、気候変動時代のいま、地域にエネルギー拠点を増やす大切さを発信。エネルギーの自治と協同、持続可能な地域づくりをテーマに、日独墺の調査研究にも取り組む。市民エネルギーとっとり代表、NPO法人市民電力連絡会理事。「山陰地域における電気利用の歴史と地域性に関する研究」『山陰研究第11号』、「ドイツ・ハンブルク市における配電網再公営化に見るエネルギーの自治」『人間と環境』(共著)、「ドイツのエネルギー協同組合」『まちと暮らし研究』など。
主 催:eシフト、原子力市民委員会
連絡先: 原子力市民委員会 事務局
〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町4-15 新井ビル3階(高木仁三郎市民科学基金内)
Tel / Fax 03-3358-7064
E-mail email◎ccnejapan.com(◎を@に変えてください。)